銀河より愛をこめて

銀河より愛をこめて
切り餅坂を上っていくと中腹に骨董店がある
いつもじいさんが居眠りをしている
たまに通り掛かると娘のカイが入りたがる
仕方なく入る
そこには宇宙物のフィギアやツールがいっぱいあって、カイのかってのお気に入りだったピコピコ鳴って光る靴もそこに置いてある。カイは、それを一瞥しながらも、スパンコールや人造宝石まみれのマフラーやコスチュームにご執心
とりわけ大きな月光ペンダントを買おうかどうか迷っている
たまにラジオだかアンプだかが光だし、変な雑音を出している
カイは一生懸命聞いて、うなずいている
店主のおじいさんは、そんな時だけ目を細めてうなずき笑っているようだ
寝ているか起きているのか判別しないが・・。
あーカイが、名残をしそうに店を出てキャンパスへ向かう
私もここいらへんで別れないとな
小さなあんみつ屋が橋のたもとにあり、それとなく夕方に落ち合おうと合図を送った。
私はエンジニアだ
この地図やこの電柱、この表示板、路線図に隠された暗号を拾い集めて、ブラックホールを通す光の筋を探している
多分妻は、パラレルワールドにいる
いずれ私たちは、また交わるはずだ
それまで、カイを私は見守る
君のにこやかな視線を感じながら

さて場面は、カイと骨董屋のおじいさんとの会話で幕が開く

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その他

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