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僕たちは武装する、愛するために

僕たちは武装する、愛するために

御茶ノ水レモンで
キー子とあーちゃん。
どう話したらいいんだろう、聖橋を人魚が川底から這い上がってきた日、僕はニコライの近くでござで固めたみすぼらしい小屋の中にいた。
まだ花冷えのする4月、ニンニクと焼酎を小屋主がふるまい、アバンギャルドな芝居を見ている。その帰りだったろうか、人魚を見たのは。もといキー子を見たのは。あの浚渫船から逃げ出してきたらしい、何かヤバさを感じながら、僕らは彼女をかくまった。
また違う話。あーちゃんは不意に僕らの前に現れた、津軽弁の美男子。
方言矯正のためアナウンススクールに通う彼は、結構やばい。催眠商法、ネズミ講、ホスト、金になると聞けば何にだって食らいつく。目下ホスト稼業に余念がないのだが、演技力と方言を直したく僕らの中に入ってきた。目下騙した女は3人。彼の親父は警察官。たまにあっちゃんを訪ねてくるようだ。
僕と僕の仲間とは法政や明治、立教からなる演劇連合のようなもの。国の予算分捕りをもくろむも頓挫。岐阜あたりの川の真ん中でフェスティバルを開く企画を作るも、スポンサーが煮え切らずに破綻。どうしようと言う矢先、気晴らしに身内のやっているアバンギャルドな芝居小屋を見ていた。
本稿執筆


地下鉄と花束

運転手は僕で車掌は君だ
真っ暗なトンネルの中で、日がな一日こいつを動かしていると、どうにも妙な世界が見えてくる
別にラリっているとか言うんじゃないぜ
相棒の若いのが隣にいるが、こいつがわけわかんないことを口走っているのも、愛嬌と言うことなんだろうな
相田義男47歳。こいつは18歳の見習い車掌。まだまだ始まったばかりの人生なのに、あーでもないこーでもないと未来やら能書きやら垂れている
俺2年位したらパン屋やってるよ
あぁそうか
で向かい側に花屋があってね、そこの娘が可愛いのなんのって、笑うとね、八重歯が見えてね、すました顔で言うのさぁ。良いお天気、お花がお似合い。俺はそうかいって、金を渡す札で。釣りはいらないって言ってるのに受け取った試しがない。ばら銭を財布に詰めて、ばつが悪い感じで店を出る。振り返るとあの子がにこっと手を振っている。俺、思わずつまずいて、ずっこけそうになったことがある。ああ、あの娘といつか所帯を持つんだ。目標があるってのはいいことだ。だろ、絶対叶うよ。
本稿執筆


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